近年、電動アシスト自転車のバッテリーの盗難が急増しています。
バッテリーの価格は4~5万円と高額で、転売目的で盗まれていると考えられます。たしかにフリマアプリやオークションサイトを見るとバッテリーの出品が多く見られます(それらが盗品だというわけではありません)。
警視庁の発表によると、特に被害が多いのは「中高層住宅(4階建て以上)」、つまりマンションなどです。
戸建て住宅では、カギのかけ忘れによる被害のほうが多いのに対し、中高層住宅では施錠していたにもかかわらず盗まれるケースが非常に多いのが特徴です。戸建ての敷地と違い、マンションの駐輪場という、ひと目につきにくい場所で、カギを壊され、バッテリーを持ち去られるという状況が多いようです。
こうした被害を防ぐにはどうすればいいのでしょうか?
警察では、バッテリー盗難対策として、次のようなことを推奨しています
施錠していても、壊されて盗まれるケースが多くなっていることから、基本的に、乗らないときはバッテリーを取り外すことを徹底しましょう。
たとえば、朝、お子さんを送っていったあと、いったん帰宅し、午後に買い物に出るまでの間など、短時間であっても、油断せずにバッテリーは取り外して、家の中に持ち帰ってください。
車体だけを盗まれるケースもあるのですが、バッテリーが転売目的で狙われている以上、バッテリーのない自転車はそれだけで犯人の狙いから外れることになります。
また、バッテリーをこまめに外しておくことは、バッテリーを長持ちさせるうえでも有効です。
お店に立ち寄るときなど、どうしても外出先で自転車から離れるときは、しっかりとロックしましょう。おすすめは、ワイヤーやチェーンで、バッテリーを車体にロックしておく二重ロックです。
二重ロックされていても、残念ながら盗難を完璧に防ぎ切ることはできません。しかし、二重ロックは、されていない場合に比べると破壊や開錠に時間がかかることは明らかですので、それだけでも犯人を躊躇させ、盗まれるリスクを下げることができるでしょう。
加えて駐輪場所を工夫する(「明るい場所」「人通りの多い場所」「防犯カメラのある場所」など)ことで、さらにリスクを抑えることができます。
もっともおすすめできるのは、自身の目の届かない場所に自転車を保管することを、基本的に避けることです。
宅内のガレージや、マンションであっても自室まで運び込んで、外の駐輪場に置かないことにすれば、盗難の危険性があるは外出時の一時駐輪の間だけとなり、非常に安全になります。住宅事情により難しい場合もあるかもしれませんが、可能なら検討してください。
バッテリーと車体をロックする二重ロックには、どんなものを使えばいいでしょうか。
メーカーで販売している純正アクセサリーのほか、量販店やネット通販、100円均一ショップなどでも買うことができます。選ぶときに気をつけたいポイントは次のような点です。
太いほうが切断されにくく、安全性が高いのですが、バッテリーの持ち手を通して車体に付けなくてはならないので、太すぎて付けられなかったとなっては意味がありません。使っている自転車とバッテリーに適したサイズであることを確かめましょう。
メーカー純正品であれば、対応機種が明らかなので間違いがありません。純正品は価格が高めですが、安心感はあるでしょう。
バッテリーロックという観点からは、重さはあまり関係ありません。ですが、あまり重いものは付けたまま走行するのが難しくなるため、付けていても気にならない程度の重量のものを選ぶことをおすすめします。
ロック方式はカギ式と、番号式があり、番号式はダイヤル型とプッシュボタン型に分かれます。
いずれも一長一短があり、カギ式は番号を覚える必要がなく、使いやすいですが、カギをなくさないように注意する必要があります。一方番号式はカギを管理する必要がないのがメリットですが、番号を忘れないようにしなければなりません。また数字のケタ数が大きいほうがセキュリティはより強固です。
電動アシスト自転車のバッテリーの盗難に気づいたら、警察に盗難届を出しましょう。
車体の盗難は、メーカーの盗難補償(同型を割引で購入可能)の対象になりますが、バッテリーのみの盗難の場合、対象になるかどうかはメーカーによるようです。
自転車がレンタルしているものの場合は、すみやかにレンタル会社に連絡し、対応を確認してください。
弊社の「スマイルサイクル」の場合、「盗難あんしんオプション」にご加入いただいていれば、バッテリー盗難にあっても、代品をご用意させていただきます(警察への盗難届は出していただく必要がございます)。
[自転車マメ知識] 2023年12月14日